PAYDAY 2

給料日(PAYDAY)、それは労働者にとって至福の瞬間。
この瞬間のために、人は日々の労働に耐えていると言っても過言ではありません。
そんな至福の瞬間だけを味わうことができたら、どんなに素晴らしいことでしょう。

もし現実であれば、給料日を経験するためには労働しなければならないところですが、そこがゲームのいいところ。
英語で給料日を意味するタイトルからもわかるように、本作は給料日をテーマに据えた労働者のための作品、言うなれば給料日体験シミュレーションです。
ですから日常パートは大胆に全面カット、プレイするのは非日常たる給料日パートのみと徹底しています。

何の変哲もない日常の労働パートを延々ととプレイさせられ、給料はリザルト画面で数字として表示されるだけ…。
そんなゲームにはもうウンザリ!ってな人にオススメのゲームです。

まずはこちらのアニメGIFを見てください。
みんなの笑顔が印象的ですね。どんなゲームか一目瞭然です。

父「今日は給料日だからな、食べたい物があったらなんでも言っていいぞ」
子「本当に!? なんでもいいの!? 高級レストランでディナーがいい!」
娘「えーっ、私は和食がいいなー」
母「あらあらこの子たちったら」
父「よーしパパ奮発しちゃうぞー」
こんな心温まる会話が聞こえてきそうな、微笑ましいシーンです。



このゲームはミッション選択式になっているので、どのミッションから始めても構わないのですが、せっかくの給料日体験シミュレーションですから、まずは銀行へ行ってお金を下ろすことにします。


銀行に着いた一家。さっそくお金を下ろそうとするのですが…。


突然の地震発生!
頭を抱えて落下物から身を守る男性。
銀行内は大パニックに陥ります。
大した揺れではなかったので、そのまま窓口に行ったのですが、銀行員までがパニックを起こしていて窓口業務に戻ってくれません。
それどころかちょっと目を離すと真っ先に逃げ出そうとする有様。
ちょっと! お客の誘導が先じゃないの!?

「もういいわ、あなたには頼みません」こうなったら自力でお金を下ろすしかありません。
ところがさっきの地震で建物がゆがんだのか、銀行の金庫扉がまったく開かなくなってしまったのです。


こんなこともあろうかと持ってきておいたサーマルドリルの出番です。
えっ、なんでドリルなんて持ってきてるのかって?

阪神大震災の教訓で、関西では美人のお姉さんやかわいいあの子だって枕元にバールを常備しているのが普通です。
ましてやここはアメリカですから、もしものためにドリルC4爆薬を持ってきていても、なんら不自然ではありません。
ミッション前の準備(PREPLANNING)でドリルの事前配置場所を選べるのだって、夜寝る前にバールを枕元と足元のどちらに置くか選ぶのと同じです。

ドリルを設置したのもつかの間、今度は銃を持った大勢の男たちが銀行に押し入ってきました。
問答無用で銃を撃ってくるので話し合いにもなりません。
そう、彼らは警察のコスプレをした強盗団だったのです!
己の給料を、そして愛するわが子の笑顔を守るため、親は戦います。




はじめこそ制服警官のコスプレをした軽装の強盗が相手ですが、すぐにSWAT(特殊部隊)のコスプレをした強盗がやってきます。
外ではパトカーに偽装した車両で強盗団の増援が次々到着。時間が経つと機動隊の盾を構えた強盗もやってきます。
さらにはヘリコプターや催涙ガスまで使うほどの資金力を持っています。
どんなに頑張っても本物の警察は助けに来てくれません。
お金でももらって見逃しているのでしょうか?
Britanniaだって街中で犯罪を犯せばガードがすっ飛んでくるというのに。
いくら自由の国アメリカといっても、これはあんまりです。
己の給料は己で守れとでも言うのでしょうか。


やっとの思いで給料が手に入ります。
さあ、あとは強盗団の囲みを突破するだけ。
月に一度、家族水入らずの豪華ディナーはもう目の前です。
バッグに給料を詰め込み、通りに出ると…。


死にます。


通りの反対側や建物の屋上に潜んでいた狙撃班(のコスプレをした強盗)から一斉に狙撃されます。
最も難易度の低いNormalでしたが、何度やってもクリアできず。




ミッション選択画面を見た限りですが、他にも宝石店などの舞台があるようです。

「思えばさんざん苦労を掛けたな…。喜んでくれるだろうか」
給料を手に、妻へのプレゼントを受け取りに宝石店へ入る夫…。

私はやっていないので想像しかできませんが、きっとこんな感じの心温まる給料日プレイなんだと思います。
結婚記念日にプレイすると、夫婦の愛がさらに深まりそうですね。



そうそう、書き忘れていましたが、このゲームは成人指定です。
毎日が給料日なんて非現実的ですから、現実とゲームの区別ができる成人限定なのも頷けます。


「実際にプレイしたが内容が全く違った」などのクレームはこちらへどうぞ。